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結末は感電死ならぬ大爆死!実写版「ジョジョの奇妙な冒険」を見てきた。2 [シリーズ]

実写映画「ジョジョの奇妙な冒険」。
映画の内容を思い返しながらネタバレ全開で思いついたことを書いておく。
でもこの話は「今思い返してみれば」という僕の推測が入っているからね。。。

オープニングはアンジェロの逮捕シーンから。

ヘリにパトカーに、かなり大掛かりにアンジェロの占拠するアパートを包囲している。アパートからしてかなりスペインロケな感じが伝わってくる。中で悠然と食事をするアンジェロ。釘で柱に打ち付けられた陰茎も表現するのかドキドキしたが、それはなかった(どこかに映っているのかもしれない)。中に踏み込む東方良平。出世しなかった男だが、こんな先陣切って踏み込むなんてあるのだろうか。逃走するアンジェロの前に虹村兄が登場。スタンドの矢に射抜かれ、流れた血が水たまりに流れ込み異変が起こる。うまい演出である。

場面変わって登校前の広瀬康一が登場。ピンクダークの少年の単行本やポスターを部屋に飾っている。TVでは何かニュースが流れている。自転車で登校する康一。背景に映し出されるスペインの街並みだが、あまり違和感がない。幾ら何でもこんなとこは日本にはないだろうというギリギリのビジュアルを成功させている。ところでエキストラも渡航させているのだろうか。現地で日本人を調達?とにかくお金がかかっている。これは続編難しいぞ。

自転車の康一を無理やりとうせんぼして通行料を取ろうとする不良学生。そこに現れる仗助。髪型をけなされクレイジーダイヤモンドでぶん殴るのは原作と同じだが、鼻の形が変形するという黒歴史設定は無くなっていた。吹っ飛んだ不良の下敷きになって折れ曲がった康一の自転車のスポークをさりげなく直すというアレンジが加えられた。

教室についた康一の前に現れる山岸由花子。
転校二日目の康一の世話係を命じられているという新設定が面白い。康一のために夜なべして作った英語の分厚いテキスト。江戸時代の書物のように紐で製本され、文字はおろかデザイン的な模様までびっしり書き込まれているのがキチガイっぷりを表現できていて面白い。ここが一番面白いシーンかもしれない。

下校中、仗助の前に現れる空条承太郎。
映画版のスタンドのデザインも鮮明になる。忠実なのは良いのだが、どうも実写に馴染んでないような気がする。ちなみにここではクレイジーダイヤモンドが承太郎の帽子を変形して直すという黒歴史設定が忠実に再現されている。場面が戻って、また承太郎の帽子が元に戻っている。承太郎なら同じものを何着も持ってきていてもおかしくないが。

場面変わって、街中でナンパを行う二人のチンピラ。かなりスマートとはいえない感じだ。そこに東方良平が現れ、チンピラの一人がかつて良平が世話され、恩義を感じている関係だとわかる。街を守るという良平のキャラをうまく原作以上に表現している。良平と別れたチンピラは公園ではしゃいでいたところ、アンジェロの癇に障ってしまう。これがコンビニ強盗に繋がると理解した時、すごく悲しい気持ちになった。いいアレンジである。

映画版は國村隼演じる東方良平がかなり目立っていて、ちょっとうざいぐらいだ。東方朋子役は何と観月ありさ。再現度高い。しかしこの女優さん、年取ったなあと思う。ついでに伊勢谷友介も線は細いがなかなか承太郎感が出ている。けれどもやっぱり皺が気になった。
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(尺の都合でカットされたのだろうが、このシーンは見てみたかった。三池監督だったら一応撮ってるんじゃないかなあ)

アンジェロは東方朋子の殺害に失敗。仗助に捕獲される。原作通り、酒瓶に偽装して脱出。良平の殺害に成功する。なかなか重いシーンに仕上がっていてよかった。しかしアンジェロが雨を待っていることに承太郎が曇り空の段階で気づいており、原作の「雨だと?」からのアクアネックレス奇襲シーンがなかったのは残念。
ジョジョ実写2.png

葬儀の前、良平がいかに懸命に街を守ろうとしていたか、娘の朋子が語る。これが吉良吉影と杉元鈴美の話だということに後で気がついた。洋式の葬式シーン中、虹村兄の姿を見かけた仗助がそれを追いかけ、虹村邸にたどり着く。原作では近所だったが、映画版は海沿いだ。億泰との戦闘。原作もピンとこない結末だったが、映画版も気がついたら終わっていた。初見で理解できた人はいたのだろうか。立禁止看板はミシミシいっていて、削り取られた感が原作より出ている。

矢で射抜かれた康一を囮に、邸内に仗助を引き入れる虹村兄。兄に見捨てられた億泰が仗助を助けるシーンは原作でも好きなシーンだが、少し駆け足感。バッド・カンパニー登場シーンも一匹かと思いきや集団、という原作とはちょっと違う登場の仕方をする。弾幕をクレイジーダイヤモンドのラッシュで防ぐのは原作と一緒だが、実写でやると違和感がある。エコーズはさっさと卵から出てしまうが、特にスタンド能力の発動は無し。

仗助の助命嘆願する康一だが、虹村兄は「バッド・カンパニーに指示した命令は、完了するまで取り消せない」という映画の新設定を説明。それがクレイジーダイヤモンドで直したミサイルを撃ち落せなかったという説明になっているが、果たして必要な設定だったのだろうか。「まにあわー!」という名台詞が聞けなかったのは残念だ。
ジョジョ実写3.png

虹村父が登場。写真を直すシーンは原作屈指の名シーンだったが、あまり上手く演出できているとは思わなかった。他の人はどう思っただろうか。さて、天窓のガラスに手をつく音石明をどう映像化するのかなと期待していたら、突然サーモグラフィーっぽい映像が挿入。しばらく演出の意図がわからなかったが、突如シアーハートアタックが登場して理解した。億泰をかばった虹村兄の口の中で爆発。木っ端微塵になったので、電線に引っかかってる名シーンは無しで残念。
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ラスト、この位置で「俺がこの街を守りますよ」という名シーンを配置。エンドクレジットに行くと思いきや、吉良邸の描写。3位のトロフィーや爪の入った瓶。サンジェルマンの紙袋から女性の手!うーむ、続きが見たい!

 
さて、次回は実写化不可能?
実写映画「ジョジョの奇妙な冒険 第二章」のシナリオを妄想してみるよ!

 






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結末は感電死ならぬ大爆死!実写版「ジョジョの奇妙な冒険」を見てきた。1 [シリーズ]

公開から10日ほど経ったのか?
ジョジョの実写映画を見てきた。

感想をざっくり言うと、中ボス戦まで面白い。ラスボス戦は退屈。しかしラストは鳥肌立った、と言う感じ。

4部のアクアネックレス戦からバットカンパニー戦までを映画化しているのだが、山岸由花子のエピソードが入っていたり、腹にナイフを残されてしまうコンビニ強盗がかつて仗助の祖父に更生させられた青年だったのが泣かせられたりと、アクアネックレス戦までのエピソードはアレンジが楽しめる。

ザ・ハンドからバットカンパニーの流れは割と原作に忠実。原作に忠実な方が良いと思うが、見ていて正直眠かった。なぜだろう。ちなみに原作のバットカンパニー戦は好きなエピソードの一つだが、最後にスタンドのミサイルを直して逆転するというオチがリアルタイムで読んでいる頃からどうかと思っていた。映画版はさらにそこから一手間加えてあって、ますます首を捻りたくなる結末になっている。

 
さて、ジョジョの映画版。興行的には大爆死だそうである。内容について評判は良いので、巻き返しもあるかなと思っていた。しかし地方の映画館の平日の朝一とはいえ、立地は駅前で夏休みである。お客さんは5人だった。前日に上映時間を調べた時おどろいたのだが、すでに日に2回しか上映されていない。もうダメかもしれない。。。

続編が作られるかどうかと言うのは、お金をどれぐらい稼げたかと言うのがすべてである。おそらくジョジョの続編が作られる可能性は低いだろう。ソフトが売れたらあるいは、ということはあるのだろうか。そういえばアニメ版も続編が作られないどころかソフト化もされず、幻の作品となってしまっている。ジョジョは映画に向かないのだろうか。

 
どうすれば今回の結果を回避できたのだろう。
爆死ということは、前評判が悪かったということであろう。「ネットの評判」と定義できるものがあったとして、どれぐらい興行に影響を及ぼすものなのだろうか。漫画やアニメの実写化にとって前評判に影響を及ぼすのはそのビジュアルが全てである。原作に忠実かどうかでしか、その映画の成功の可否を観客は予測できない。しかしビジュアルを忠実にすればするほど、映画の質は落ちるのである。素の外見が似ているかどうかは、俳優の演技力と何ら関係がないからだ。

が、「漫画原作を忠実に再現した上に、映画としても面白い作品」はハリウッド映画では何本も制作されている。ぜひ頑張って欲しいところではあるが、アメリカとは制作費も違う。太ったり痩せたり歯を抜いたり、俳優の役作りにも限度があるだろう。実写ジョジョは難易度最高レベルにもかかわらず、かなり頑張っていたと思うが、なかなか写真では伝わりにくいものがあると思う。

帰りに館内の売店でアンジェロ岩の文鎮を買った。1800円もしたが、よく考えてみると900円ぐらいの品だろうか。まあ、続編が見たいので少しでも制作費回収の足しになればなと思う。

次回はネタバレで感想を書いていきたいと思う。

 

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遥かなる旅路、「ドラゴンボール」その初期構想とは7 [シリーズ]

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強さのインフレを起こすたびにリアリティの崩壊を起こしつつも人気を爆発させてきたドラゴンボール。大人の経済的な事情により、延命を繰り返し続ける作品になってしまった。その初期構想とはどんなものだったのだろう。

漫画史に残る名台詞、「もうちょっとだけ続くんじゃ」。
あの「もうちょっと」とは、どのくらいを指していたのだろう。自分はベジータ戦までだと長年思っていた。しかしランチさんのリストラを考えると、スーパーサイヤ人が登場するフリーザ戦までが「もうちょっと」の範囲だったのだろう。ナッパに「あいつナメック星人だぜ」と言わせ、伏線を張っている。
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自分の中でドラゴンボールのベストバウトはベジータvs悟空&悟飯&クリリン&ヤジロベーである。3倍界王拳かめはめ波の迫力。役に立ったり立たなかったりのヤジロベーの不安定感によるハラハラ。ご飯の大猿化による大逆転。それでも死なないベジータの生命力の凄まじさ。ナメック星のドラゴンボール争奪戦のハラハラも最高。つくづく思う。もうちょっとだけ続いて良かった!と。
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しかし、これで終わりと考えているからか、連載が長期化することによって作品を陳腐化させてしまう場当たり的な設定が色々と顔を出している。

例えば「あの世」の設定。閻魔大王にラディッツをあっさりやっつけさせたのがそもそもまずい。この後に出てくる界王様の偉大さを際立たせたいという狙いだったのだろうが、その界王様よりも強いキャラが続々とあの世に送り込まれてくる展開になるのにどうすんだという話である。だったら聖闘士星矢のように、冥界ではハーデスの結界のせいで力が半減される〜とかやるべきである。
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そしてその界王様。
神よりも上の存在がいたなんてと驚かせておいて、さらにアニメでは大界王様が登場。連載が長期化することによってその設定は公式のものとなり、さらにそのまた上の存在、界王神が登場。大人の事情で再スタートさせた新しいアニメシリーズでは、そのまた上の破壊神が登場。最近では、さらにそのまた上の存在が出てきているらしい。

スカウターは男心をくすぐるアイテムであるが、パワーバランスをインフレさせ、バトルを単なるフォームチェンジしたもの勝ちの展開にさせてしまった最大の戦犯だ。フリーザ第二形態で賞味期限切れになってしまったのに、いまだにセルだのブウだのに戦闘力は幾つだとか盛り上がってる人を見ると、なんだかなあと思ってしまう。次回では、その辺について書こうと思う。


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遥かなる旅路、「ドラゴンボール」その初期構想とは6 [シリーズ]

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強さのインフレを起こすたびにリアリティの崩壊を起こしつつも人気を爆発させてきたドラゴンボール。大人の経済的な事情により、延命を繰り返し続ける作品になってしまった。その初期構想とはどんなものだったのだろう。

神が作りしドラゴンボール。それを自らの欲望のためにしか使わない人間たちを滅ぼすために送り込まれた孫悟空。。。という初期構想(妄想)はなぜなくなったのだろうか。それはおそらく、成長した孫悟空を鳥山明が「もうちょっと見たかったんじゃ」ということなのではないだろうか。

鳥山明のキャラクターはギャグ漫画にしては珍しく年をとる。ドクタースランプでは則巻センベエが結婚し、子供まで出来た。ガッちゃんは二人になった。アラレちゃんは免許をとった。ドラゴンボールも同様で、天下一武道会のたびに悟空の身長が伸び、優勝した3度目の大会ではダイナミックに青年的な頭身となった。これは当時相当な衝撃があった。鳥山明の漫画のキャラクターといえば二頭身というお約束を覆した、一歩間違えれば作品生命を失いかねない展開だった。ピッコロ大魔王との戦いの時から、あたためていたアイディアなのだろう。編集側の反対もあったかもしれない。
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3回目の天下一武道会では結婚までしてしまう。そこまで来たら、生まれてくる子供の顔も見たいだろう。鳥山明も描きたかったに違いない。そうすると、もうちょっとだけ続く必要が出てくる。当然生まれてくる子供には尻尾が。となると、ルーツを探る話になるだろう。その時を見越して、ピッコロ大魔王編では出自に関する話をやらなかったのではないか。これが自分の推測(妄想)である。
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遥かなる旅路、「ドラゴンボール」その初期構想とは5 [シリーズ]

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強さのインフレを起こすたびにリアリティの崩壊を起こしつつも人気を爆発させてきたドラゴンボール。大人の経済的な事情により、延命を繰り返し続ける作品になってしまった。その初期構想とはどんなものだったのだろう。

ドラゴンボールの綺麗な最終回のチャンスは2回あった。
1度目は単行本2巻。最初のボール探しが終わり、仲間と別れ、悟空の新たなる旅立ちを描いている。「長い間ご愛読ありが… い、いえ!!まだ続きます!!」とナレーションしているが、この辺で終わっていればいわゆる「10週打ち切り」となる。連載が始まる前に鳥山明が決めた初期構想の1つだったのだろう。実に綺麗なラストだ。
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2回目の綺麗な最終回のチャンスは、いわゆる「もうちょっと続くんじゃ」の単行本17巻。亀仙人が綺麗に作品を総括している。
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実質的に、ここでドラゴンボールは描き切られていると自分は思っている。鳥山明もそう思っているのではないか。悟空の出自を説明するために少しだけ連載を延長するということなのだが、リアルタイムで読んでいた読者的にそのことについて説明が欲しいと思っていた人はどれぐらいいたのだろうか。もちろんネタバラシしてくれるなら聞きたいのだけど、犬が大統領やってる世界観という作品の構造上、スルーしても成立してしまう話なのだ。
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さて、ドラゴンボールの初期構想(推測)を改めてまとめてみる。
1:西遊記をベースにしたアドベンチャーロマン。
2:主人公はクンフー使い。実は神が遣わした人類破滅の最終兵器
3:ラスボスは神の未熟な人格。

ドラゴンボールを悪用する未熟な人格の人類を粛清するために悟空を送り込んだ神が、自らの未熟な人格による不始末の尻拭いを悟空にさせてしまうという矛盾、という内容になる。

いわゆるガッちゃん方式である「悟空が神の遣い」という裏設定はいつ頃なくなったのだろう。おそらく初期構想に「マジュニア」の展開はなかったであろうから、ピッコロ大魔王とのキングキャッスル戦の前に、世界観のネタバラシを持ってくるのが普通だ。

タイミング的には超神水をすっ飛ばし、いきなり神の神殿に行ってしまった方が話の流れとして自然なはずだ。そこで神と出会い、ピッコロ大魔王が自らの分身であるということの謝罪と、ドラゴンボールを作った理由の説明を受ける。世界観の一切の謎をなくし最終決戦。そして最終回。これが定石のはずだ。そして、そこで悟空が神の創りたもうた人類破壊兵器というネタバラシもあったはずである。これで「この一撃に全てを賭ける!」の大猿コマももっと活きる。
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しかし鳥山明はそれをせず、ピッコロ大魔王を倒したあとに神と悟空を対面させた。この構図だと、ピッコロの後にもう一戦必要になってくる。マジュニア編である。ピッコロ大魔王の後にマジュニアという構成を鳥山明がなぜ必要としたのかはよくわからない。ボール集め編は毎回不評なので、天下一武道会で締めたいということなのかもしれない。だから天津飯戦で悟空を勝たせなかったと考えると辻褄が合う。

話が若干それた。
悟空はいつ神の遣いではなく、サイヤ人になったのだろう。漫画史に残るセリフ「もうちょっとだけ続くんじゃ」だが、神の神殿で「神の遣い」にしておけば、もうちょっとだけ続く必要もなかったはずである。全ての伏線が回収され、綺麗な最終回になっていた。

一つ考えられるのは、ガッちゃんの踏襲では嫌だと作者が感じたのではないかということ。
もう一つ考えられるのは、悟空の身長にヒントがあると思う。

この話、もうちょっとだけ続く。

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遥かなる旅路、「ドラゴンボール」その初期構想とは4 [シリーズ]

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強さのインフレを起こすたびにリアリティの崩壊を起こしつつも人気を爆発させてきたドラゴンボール。大人の経済的な事情により、延命を繰り返し続ける作品になってしまった。その初期構想とはどんなものだったのだろう。

天下一武道会で人気の貯金を作り、ドラゴンボール集めという趣味の冒険漫画展開というローテーションを確立したドラゴンボール。第二回天下一武道会の頃にはリアルに一つの大きな事件が起こった。鳥山明がデザイナーとして参加したゲーム、「ドラゴンクエスト2悪霊の神々」のウルトラ大ヒットである。品薄のゲームを買い求める人が争奪戦を繰り広げ、大きな社会的な問題となった。

(動画は3の時のもの)

ドクタースランプ」で既にこれ以上ないというぐらいのヒットを飛ばしていた鳥山明は、「ゲーム」という意外なところからそれ以上のメガヒットを飛ばし、その名声を不動のものとしたのである。第二回天下一武道会の予選には、ドラクエ2のキャラクターもモブで出演し、連載当時自分の周囲でも話題になっていた。
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その一方、ドラクエの方にエネルギーを吸い取られたのか、当時のドラゴンボールの方のキャラクターデザインには疑問が残る。第二回天下一武道会のラスボス、天津飯である。当時、人気投票を競い合っていた他のジャンプ漫画のラスボスといえば、北斗の拳で言えば「ジャギ」「サウザー」「ラオウ」だったり、キン肉マンで言えば「ウォーズマン」「バッファローマン」「悪魔将軍」「ネプチューンマン」だったりしたわけで、外しの無い、読者が見て「うおおおおお!」と燃えるデザイン、絶対外しがなかったわけなのだが、天津飯はとてもその辺と張り合えるキャラクターでは無い。

亀仙流vs鶴仙流という構図は少年漫画らしい。しかしテーマが謎である。なぜ目が3つあったり、手が4本になったり、「いくわよー」とバレーボールを始めたりするのか。北斗の拳に目が3つあるキャラクターが出てきたら衝撃的だと思うが、動物が二本足で歩いて普通に喋るドラゴンボールの世界観では、驚くところなのか流すところなのか判別がつかない。
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自分はリアルタイムで読んでいて、チャオズがラスボスなのかと思っていた。当時「霊幻道士」という香港製ゾンビ映画が大ブームで、チャオズの元ネタはそこ。香港映画好きな鳥山明ならやりそうだと思っていたのだが。。。


デビュー戦でヤムチャの足を折るなどの残虐行為で敵役としてキャラを濃くしたものの、シリーズ完結を迎えるまでもなくあっさり改心してしまった天津飯。次章であるピッコロ大魔王編では前章のラスボス利権を得ることなく、あっさり戦力外。気功砲だの魔封波だの、あまり強さとは関係ない一発技屋としてその後のキャラを確立する。

そのピッコロ大魔王編であるが、作者の趣味の時間であるはずのドラゴンボール集めパートにもかかわらず、大好評を得る。クリリンが殺されるというシリアスな展開は相当なインパクトがあり、この先のシリーズが今までにない緊張感あるものだと読者に予感させた。
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ドラゴンボールを作った神の分身が、ラスボスとして主人公の前に現れたわけであるから、作品の構成からすれば最終章が始まったに等しい。登場キャラクターもドラゴンクエストを連想させるモンスタータイプ。これで読者が燃えないわけはない。
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ところが、ここで天津飯に続く謎キャラクターが一人登場。ヤジロベーである。タンバリンに殺されかけて復活してさらに強くなった悟空と同レベルスタートという、天津飯の価値をいきなり崩壊させてしまう新キャラだ。漫画なのにわざわざ「クリリンと同じ声」という設定にするあたり、悟空の新相棒になる展開が予想された。剣を操るあたりもドラクエチックで人気が出そう。のちのトランクスを思いださせる。なのにヤジロベーはピッコロの刺客を一蹴したデビュー戦の後、少年漫画キャラとしての見せ場はドラゴンボール最終回まで無かったのである。ピッコロ編が終わってみれば、悟空に超神水を飲ませるための運び屋としての役割しかなく、読んでいて消化不良だった。

ヤジロベーは作者が好きなキャラと公言するだけあって、単行本背表紙に二回も登場。読者のさらなる混乱を招く。


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遥かなる旅路、「ドラゴンボール」その初期構想とは3 [シリーズ]

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強さのインフレを起こすたびにリアリティの崩壊を起こしつつも人気を爆発させてきたドラゴンボール。大人の経済的な事情により、延命を繰り返し続ける作品になってしまった。当初の構想はドクタースランプの縮小再生産だったことは過去記事で述べた。

第一回のドラゴンボール集め完了を期に、テコ入れである天下一武道会編が始まる。これが当たり、以降天下一武道会でアンケートの貯金を作り、そのあとに本来作者が描きたかったドラゴンボール集めという構成を繰り返すことになる。ちなみに第二回ドラゴンボール集めの敵役はご存知、レッドリボン軍である。ミリタリー好きな鳥山明ならではの設定だが、幹部連中に魅力があるのはブルー将軍ぐらいという不思議なクオリティ。ドクタースランプのキャラクターを途中登場させるなどのテコ入れを必要とする結果に。やはり好きなものを描かせてはダメという、鳥嶋氏のアドバイスは的を得ている様だ。
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さて、当時読んでいて衝撃的だったのは、ドラゴンボールにおける修行が超重量を背負ってのトレーニングのみという点。亀仙人の修行プランを聞いた悟空が「技とか教えてくれよ」と文句を言っている。当時のカンフー漫画といえば、いかに修行を奇抜なものにするかというところに労力が注がれていた。スポ根を拒否し、ひたすらライトにクールに、ドライな演出をするのが鳥山明やあだち充の手法である。これがリアルタイムで読んでいてとても新鮮に映ったものである。バトル漫画がすでにありふれている少年ジャンプにおいて、差別化を図ることにも成功した。

そしてドラゴンボールの一大成功ギミックの一つであるスーパーサイヤ人の原型が3巻にしてすでに登場している。悟空、クリリン、亀仙人3人の男所帯と、しばらくむさ苦しい絵面が続くので、清涼剤として登場したキャラなのだろう。謎の家政婦、ランチさんである。くしゃみすれば黒髪の不思議少女が一転、金髪の怒れる戦士に。まるでスーパーサイヤ人である。
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スーパーサイヤ人はフリーザ編の途中から登場が予告され、それがある一定以上の戦闘力になった悟空のことなのかと思われた。しかしその登場は誰の目にもはっきりわかる形で実現した。読者の誰もがこの展開に熱狂した。これこそが俺たちの求めた展開だと。しかしこの瞬間、読者がランチさんを連想しては台無しである。もしランチさんが正レギュラー化してナメック星にいたら?今日のドラゴンボールの大ヒットはなかったのかもしれない。
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このことから、鳥山明がいつ頃からスーパーサイヤ人を構想していたのかが逆算できる。いわゆる「Z」となるサイヤ人編からランチさんは原作に一切登場しなくなっているからあからさまである。


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遥かなる旅路、「ドラゴンボール」その初期構想とは2 [シリーズ]

再アニメ化の大ヒットにより永遠の命を手にいれたとも言える「ドラゴンボール」。膨張し続ける宇宙の様に、永遠に強さがインフレしていくのだろうか。ところで鳥山明の初期構想とはどんなものだったのだろうか。大してインタビュー記事も読み込んでいない自分が妄想を膨らませて書いていこうと思う。

ドラゴンボールは、作者の前作「ドクタースランプ」の縮小再生西遊記バージョンだったということは前回書いた。ギャグ漫画というフォーマットを外したがために、持ち味であるギャグの切れ味も鈍くなった。これが作者のいう「この漫画は上品に攻めてみたい」というところだったのだろう。要するに売れるためになんでもやるのではなく、自分の好きなことをやりたがったのだ。
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鳥山明がこの漫画の見せ場として考えていたことの一つには間違いなく「尻尾が生えた悟空の正体」があったはずである。要所要所で悟空の正体に注意を促している。
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しかし大統領が犬だったり、大魚やウミガメが喋る世界観である。だから尻尾が生えている少年の異常さというのはボカされてしまう。そこに「大猿化」という強烈な意味付けのカウンターパンチを食らわせるのが鳥山明の初期構想だったと思われる。
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悟空の出自が惑星ベジータの戦闘民族サイヤ人だということは誰もが知っていることである。単行本では18巻で明らかになるが、そこは最初からのプラン通りだったのだろうか。悟空の兄が登場するまでに作品は冒険漫画からバトル漫画に路線変更がされている。最初から、バトルスーツに身を包んだ宇宙の地上げ屋がやってくる構想だったとは思いづらい。
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ヒントは作者の前作、ドクタースランプに感じられる。
ガッちゃんこと、則巻ガジラの存在である。ガッちゃんはアラレちゃんが太古の地球にタイムスリップして手に入れた卵から孵ったキャラクターである。作中最強との呼び声も高く、ゴム以外はなんでも食べてしまう。数年ごとに分裂して繁殖するという謎設定があるのだが、実はそれはガッちゃんの正体に関係していた。ガッちゃんの正体は、無限に増え続けて地球を食べ尽くすために神から遣わされた破壊兵器だったのである。
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このことから、悟空が地球を滅ぼすために送り込まれたキャラクターというのは初期から構想があったのだと思う。どこから?という部分が「ドラゴンボール」に繋がっていたのではなかろうか。つまりドラゴンボールを作った神様が、ロクなことを願わない人間に呆れ果て、悟空を送り込んだという構成だ。

作者が「引き」として採用した悟空の大猿化。
リアルタイムで読んでいて大変にインパクトがあったが、それでも前作の焼き直しだったわけである。これでは人気が出るはずがない。だからこそドラゴンボールは初期構想を諦め、格闘技漫画へと路線をシフトしていくのである。
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遥かなる旅路、「ドラゴンボール」その初期構想とは1 [シリーズ]

ドラゴンボールが新作アニメをきっかけに再び大人気だという。

自分といえば、亀仙人がフリーザの手下相手に無双しまくるあたりから、完全に興味を失ってしまった。ネットでは、「この鳥山明って脚本家、原作読んだことないんじゃね?」などとよく言われている。まあ、もともと作品に対して間違っても「自分の子供」などとは言わないドライな作家ではある。その辺は悟空のキャラクターに反映されているのかもしれない。
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死ぬと困る人が大勢いるという理由で、地獄の苦しみに耐えながら延命措置を受けている億万長者の老人の漫画があったが、ドラゴンボールもそれに似ている。動く人、動く金額があまりにも多い。続ければ続けるほど、強さのインフレが起こり、作品の矛盾は増すばかりである。しかしそのインフレ発生の瞬間こそが、ファンの求めるカタルシスでもあるのだ。ある意味ドラゴンボールという作品は、ベジータとフリーザですら得られなかった、不死身の命を与えられてしまったとも言える。

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「こんなはずでは無かった俺の人生」
さて、ドラゴンボールが始まった当初、作者はどの様な結末を考えていたのかを考えてみたい。ちなみに、自分は大全集などを買って読むぐらいのファンではないので、インタビュー記事の知識を網羅してはいない。初回からリアルタイムで読んでいて、当時思っていたことなどを思い返しながら描いてみようと思う。

ドラゴンボールが始まった当初、自分はまだ小学生だった。初期のドラゴンボールは人気投票で苦戦。「じゃあ人気出しますよ。」と言って始まったのが天下一武道会。シリアス格闘技漫画の多いジャンプで、軽くてドライな格闘技漫画として人気になる。鳥山明の初期構想が「西遊記」だったというのは、読者なら誰もが知っていることである。何しろ主人公の名前が「そん・ごくう」なのだから。当時、子供ながらに「なんだそりゃ」と違和感を感じたものである。西遊記といえば中国。中国といえばカンフー。当時、カンフー漫画はブルース・リーやジャッキーの影響で人気ジャンルだった。西遊記にカンフーのイメージは自然と結びつき、天下一武道会というテコ入れをスムーズに行うために役に立ったと言える。

しばらくドラゴンボールは天下一武道会で人気を一年稼いで、次の一年は好きな冒険ものを描くというローテーションになる。なぜ初期構想の冒険ものは人気が無かったのか。それは鳥山明の前作、ドクタースランプが原因であろう。鳥山明はドラゴンボールを始める以前に、その作品で「もうこれ以上はないだろう」というぐらいのヒットを飛ばしていた。ドクタースランプは天才発明家の作った宇宙最強人型ロボットの話である。その発明家はブルマよりも圧倒的に天才。そして人型ロボも圧倒的に強かった。初期の頃からフリーザ以上の強さを持っていたのだ。これではドラゴンボールが作者の初期構想で人気が出るはずがなかったのだ。
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(なぜか則巻千兵衛はブルマを天才と認めている。。。)





ドラゴンボール超 ライジングスカウター レッドver.

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四半世紀前に話題となった出版業界を揺るがす問題、再販制度とは?土田世紀の「編集王」16巻 [シリーズ]

シリーズでやっている漫画「編集王」の解説。
どうも最高傑作である明治編以降はテンションが上がらないので、このまま終わろうと思う。

ところでAmazonを見ていたら、秋田書店の「チャンピオン」系列誌の電子書籍が軒並み99円!安い!バキと弱虫ペダルしか読んでないけど、地方のコンビニではなかなか立ち読みする機会も少ないので、100円なら買ってもいいかなあと思った。気になって、「サンデー」や「マガジン」もチェックしたが、それらはおそらく本屋で買うのと変わらない値段。さすがチャンピオンは攻めている。

そういえば「編集王」の最終章は「再販制度」を取り上げている。
近年だと児童ポルノ法が漫画業界を揺るがす大きな危機として話題になったが、再販制度も大御所たちが激しいテンションで世論に働きかけて話題になった。
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再販制度は大まかにいえば、出版社の決めた価格を維持して流通する法律らしい。
今は電化製品の広告など、価格が表示されていなくて不便だ。現在の状態になる過程で「オープン価格」という表記をよく見かけたことがあると思うが、その前は「メーカー希望小売価格」として、商品の価格が表示されていた。しかし、市場に自由に公正に競争させて経済を活性化させるために価格は販売店が決めるべきという理由から、メーカーの広告からは価格の表示が禁止された。
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(画像は「課長島耕作」8巻)

課長島耕作」で、メーカー希望小売価格を守ろうとしない小売店に圧力をかけて、独占禁止法違反だとして大騒ぎになる話があった。例えば書店が「ワンピース」を大量に仕入れる代わりに一冊当たりの仕入値を安くし、一冊200円で売りさばくということができないのだ。そういえば本のカバーには価格が印刷されている。今ちょうど手元にある「サッポロポテトバーベQあじ」やコーラのペットボトルには価格なんて印刷されてないのに。
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(画像は「課長島耕作」8巻)

この制度の維持が正しいのかはよく分からない。
「編集王」での意見は一枚岩過ぎて、ちょっと圧力感がある。異論を唱えた作家は追放されるんじゃないかというぐらいの重苦しい業界の雰囲気を感じる。結局のところ、チャンピオンはディスカウントして売られている。電子書籍といえば「セール」だ。コロッコロ価格が変わる。電子書籍以前から本屋もどんどん少なくなっている。
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電子書籍を嫌う人の本質的な理由は「俺が生まれた時から無い」以外に無い。電子書籍ネイティブは増える一方だ。もはや再販制度は維持されたまま、リアル書店とともに形骸化していくのかもしれない。もしくはリアル書店生き残りの最後のカンフル剤が、再販制度撤廃だったりするのかもしれない。
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